がん検診のホントを知ろう2010/02/19 10:09

昨年11月のアメリカ政府予防医学作業部会(USPSTF)の
乳がん検診・マンモグラフィー検診に関する勧告変更について
最近相次いで新聞・雑誌で取り上げられています。

「偽陽性」とか、「検診の不利益」とか、
なんだか聞いたことのない言葉がいっぱいだわ、
って人も多いかもしれません。

がん検診というのは、今健康な人にとって
「がん」について考えるいわば入り口です。
自分の、家族の健康を守るためにも
がん検診のこと、詳しく知りたいという方。

乳がんで悲しむ人、乳がんで亡くなる人をゼロにしたいと
本気で考えている方。

まずは、次の本がおすすめです!

「がん検診は誤解だらけ ~何を選んでどう受ける」 NHK出版生活人新書
by 斎藤博(国立がんセンター がん予防・検診研究センター検診研究部長)

http://www.amazon.co.jp/dp/4140883065/

がんは早期発見が大切、
だけど、それだけを目標にしてはいけないこと、
「検診」と「診療」、さらには、
み~んなで受けましょうという「対策型検診」と、人間ドックは別のものであり
きちんと組織だって検診をやれんようでは、意味がないこと
いろいろすんなり分かると思います。

ピーター・クリスさん2009/10/23 13:13

前回更新から、また少し時間が空いてしまいましたが
今、水面下でいろいろと活動・勉強中です。
それはそれで、まとまったらご報告をと思っていますが
9月に書こうとしていた「お金」の話がそのままになっている。
先にそっちを終わらせなきゃっ! と、気持ちばかり焦っていたら
昨日、ロイターの報道が。

米ロックバンド「キッス」のオリジナル・メンバー、ピーター・クリスさん(ドラム)が
昨年、乳がんの手術を受けたそうです。
「キッス」といえば、あの白塗りメークとKISSのロゴが目に浮かびまする。

乳がんが「乳腺」の病気であること、
男性にも乳腺があって、乳がんになる可能性があることは
このブログでも何度か書いてきました。
記事にもある通り、割合としては、女性患者の約100分の1と言われています。
日本で今、年間4万人があらたに罹患するそうですから
単純計算すれば年に400人。

取材に対して、クリスさんは次のように語ったそうな。

胸の異変は自然に消えてしまうと考え、治療を受けようとしない男性が多すぎると話し、「誰にでも起こりうることだ」と強調した

乳がんは女性の病気だという誤解を定着させないためにも

   乳がん=胸(バスト)=女性らしさ、母性

と安易に結びつけるのは間違っていると、あらためて思いました。
なので、くどいですが、もう一度言います。
ピンクリボン活動にかかわる皆さま、

   乳がんとセクシュアリティを結びつけるのはやめてください。

取材にこたえて病気を公表したクリスさんの勇気に拍手を送ります!

今朝の子宮頸がんの記事2009/09/22 16:28

今朝の朝日新聞朝刊に、子宮頸がんの記事が出ていました。
そこに、思わず「これこれ!こういうのが欲しかったのよ!」と
ひざを叩き、記事を切り抜かずにいられない記述が。
「子宮頸がん 検診率2割」「早期発見なら部分切除」という見出しの記事です。

「子宮頸がん検診は、確実に実施すれば死亡率を大幅に減らせる」として
次のような報告が紹介されていました。

名古屋大などの研究グループの報告(06年)によると、国内45市町村で88~03年の間、受診者と未受診者、計約6万人の子宮頸がんによる死亡率を比較した結果、受診者の死亡率は、未受診者より7割も少なかった。

先日、わたしが意見メールを送った記事も
早期発見のための検診の重要性を説くのであれば
その根拠となるような、こういうデータを示してほしかったのです。

意見を送った問題の文章は、記事の見出し文にあったものですが
ほぼ1面すべてをつかった他の記事は
患者と医師のコミュニケーションをテーマにした、
アグネス・チャンと主治医の先生の対談と
10月に予定されているピンクリボンフェスティバルの情報です。
そういう内容であれば、それに見合った見出し文で済ませればいいのであり
そうではなく、「検診を受けましょう」と言いたいのであれば
あのような、「検診を受けない人が死んでます」といった書き方をするのでなく
検診の意義を示す具体的データ、情報を示すべきだったのではないかと
しつこいですけど、そう思います。

乳がんの集団マンモ検診については
過剰診断
=発見されなければ症状が出ず、死亡原因にならなかったがんが見つかること
の割合が、3人に1人にまでのぼっている
先月、海外の報告が紹介されています。
(がんナビに紹介記事があります。◆こちら◆

この報告も、子宮頸がんの報告も、どう読み取ってどこまで信じればいいのか
決して数字をそのまま鵜呑みにしてはいけないとは思いますが
医療はつねに発展途上であり、データの積み上げを頼りにするしかないはず。
データが提示されてこそ、受け手もあれこれ考えることができ
次へ進めるんではないかと、あらためて感じました。

そんなことを考えている今日この頃なので
今度の日曜日、キャンサーネットジャパンが開くセミナー
「もっと知ってほしいがんの臨床試験・治験のこと」
ぜひ参加して話を聞きたいと思っています。
(セミナーの情報は◆こちら◆

日本のがんに関する臨床試験・治験はとても遅れていると聞きますが
感情や思い込みに走らず、少しでもより良い医療をめざすには
欠かせないことですもんね。

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朝日新聞、その後2009/09/19 16:57

前回、朝日新聞に抗議の意見メールを送ったことを書きましたが
その後のご報告です。

メールを送った翌々日、広報部から返事が届きました。
不快な思いをさせたことについて丁寧な謝罪はありましたが
こちらとしては、患者の心情に配慮してほしいのももちろんだけれど
事実に基づかない情報が掲載されたことについて、一般読者の誤解を招きかねない
よって訂正をお願いしたいというのが一番言いたいことだったので
その旨、再度メールをお送りし、訂正掲載の検討をお願いしました。

その数日後、今度は医療部の方からお電話をいただき
昨日の金曜日、直接会って話を聞いていただくことができました。

その席で、ピンクリボンが患者に背中を向けていると思えてならないことや
新聞であれば、検診率をあげたいがためにあのような言い方をするのではなく
「がん」という病気について正しい情報をもっと発信してほしいこと
その際には、裏付けとなるデータをしっかり検証し
事実にもとづく報道をしてほしいこと、などなど
あれやこれや、たっぷり2時間以上お話しました。

こういうことには不慣れなもので
あれも話したい、これも言いたいみたいになっちゃって
どこまできちんと伝わったか、不安な部分もありますが
先方からは、今日聞いた話にはもっともだと思える部分も多々あるので
いつとは約束できないものの、何らかの形で記事にできないか検討したい
そのために時間をもらいたいというお言葉をいただきました。

まだ、これがどのように生かされるか分からない部分はありますが
意見メールを送った一介の患者のために
はるばる会いに来てくださって
直接顔を合わせてお話できたことは、大きな収穫でした。
この場を借りてあらためて、お礼を申し上げます。ありがとうございました。

このブログで再三、記事を引用させてもらっているように
わたしはなんとなくではありますが、親の代から朝日の購読者です。
(これまたなんとなくですが、HPもブログも、アサヒネット(笑))
そういえば、高校生の頃「声」欄に投書して、図書券か何かもらったっけ。

読み慣れているので、他紙に乗り換えることもなく来ていますが
いずれにせよ、わたしは新聞の力をまだまだ信じている人間です。
インターネットでニュースが手軽に手に入る時代ですし
新聞を取らない人が増えているとも聞きますが
テレビや週刊誌がなかなか書けないような話題でも
新聞なら書けるといったことがあると思うんです。
特に、とかく病気の話は暗いからと敬遠されがちであることを思うと
新聞屋さんには頑張っていただきたいと期待しています。
素人患者ながら、今言いたいことを、精一杯お伝えしたつもり。
これが今後の記事に何らかの形で反映されたらいいなと心から祈っています。

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朝日新聞に抗議の問い合わせ2009/09/10 01:33

こんなに頻繁に更新するつもりではなかったのですが(笑)
昨日、朝日新聞を読んでいて、驚くような表現を目にし
黙って放置しておくわけにはいかないと考え
抗議の問い合わせをしました。
とりいそぎ、その内容をここに載せて、ご報告だけ。

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2009年9月9日朝刊 12版p.31掲載 ピンクリボンフェスティバルの記事について

わたしは術後2年になる乳がん体験者です。
この記事の冒頭の文章に強い違和感と不快感をおぼえ、問い合わせをさしあげました。

「早く見つかれば、高い確率で治ると言われる乳がん。一方で、検診を受けなかったばかりに発見や治療が遅れ、毎年1万人を超える人が亡くなっている」という下りです。

この文章は日本語として、毎年亡くなっている1万人の人々が
検診を受けなかったばかりに発見や治療が遅れた人間だと受け取れると思うのですが
それは大きな事実誤認だと考えます。
毎年検診を受けていても、乳がんが見つかった時にはすでにリンパ節に転移していたり
さらにはステージ4(他臓器への転移あり)だったという人もいることは
少し調査・取材すれば分かることだと思います。
また、毎年亡くなっている1万人の方たちは、
ステージ1、2でも5年、10年後の生存率が100%ではない事実が示すとおり
発見・治療が遅れた人ばかりではありません。
要するに、検診を受けていても発見・治療が遅れることもあり
発見・治療が充分早くても、亡くなる方はいるのです。
にもかかわらず、その3つを乱暴につなげた文章に
現在治療にあたっている乳がん患者への配慮のなさと
検診率アップを目指すあまり脅しをかけるような口調になっている安易さが感じられ
とても不愉快に思いました。
乳がんを体験した者として
しこりがこぶし大の大きさになるまで気づかない、あるいは放置している人が減って
この病気で悲しむ人が減ってほしいと願っていますし
そのための啓発活動は大切だと考えますが
ピンクリボンフェスティバルを推進してきた御社がこのような言い方をなさることに
深い失望を覚えました。
10月のピンクリボン月間が来る前に
紙面上でこの文章に関して適切な形で訂正をしていただきたいと強く願います。
なおわたしは、昨年、講談社の雑誌『グラマラス』が行った
ピンクリボン・キャンペーンに疑問を感じて抗議の署名活動を行った者です。
そういった経緯もあり、今回のような記事に対し
どうしても意見を述べさせていただきたいと思った次第です。
署名活動については、今年1月
ピンクリボンフェスティバル事務局の○○さまにもご報告をさしあげ
ご丁寧にお返事をいただきました。
誠意ある対応をよろしくお願いいたします。