先立つ物はカネ2009/09/05 21:39

みなさん、こんばんは。
前回ブログを更新したとき、せめて半月に一度は更新しよう!と思ったのですが
なんとかその目標はクリアしたぞ!

このかん、政権交代を実現させた選挙がありました。
選挙期間中、朝日新聞では
「09政権選択:安全社会のお値段は?」というタイトルで
生活のさまざまな問題を取り上げ
それを解消するのに必要な値段を示していました。

いろいろ興味深い話がありましたが、たとえばこんな(’09.08.24朝日新聞朝刊より)。

■ 困っています
6月、夫が脳出血で倒れた。最初の病院は専門医が不在で、数十キロ離れた病院へ転送された。着いたのは倒れてから3時間後。夫は助からなかった。近くに専門医がいてくれたら。

医師を増やすために医学部定員を1.5倍にするには
国民1人あたり年に1881円の負担が必要だそうです。

ほんと、先立つ物はカネ。
何をするにも、お金が必要になります。

というわけで、これからしばらくお金の話を取り上げようと思います。
資金調達と寄付について。

これ、ずいぶん前から気になっていたトピックなんですが
きっかけは、昨年末に朝日新聞に掲載された記事
「乳がんとたたかう ――日米のピンクリボン運動」です。
上下2回にわたり、アメリカと日本のピンクリボン運動について詳しく取り上げていて
このブログでも、今年3月7日に書いた「あれから1年」でご紹介しました。
アサヒコムではすでに削除されていますが、「魚拓」がありますので
まだお読みでない方はリンク先をご覧ください。
上:アメリカ編は◆こちら◆
下:日本編は◆こちら◆

ここにはさまざまな驚くべき数字が紹介されていました。
たとえば、アメリカの「スーザン・G・コーメン」の年間予算が約200億円であること。
「世界最大の乳がん啓発団体」として紹介されていますが
それにしてもすごい額です。

日本対がん協会の2007年度事業活動予算は約7億円
ほほえみ基金の2008年度活動支出は約6400万円です(いずれも協会HPより)。
乳房健康研究会の2007年度の予算規模は約7000万円(上記記事中より)。

参考までに、アメリカの総人口は3億人、日本は1億3千万人弱。

う~~ん。この差はいったい……?


また、少し前に「元気に見えても辛いカラダがあります」
HOPEプロジェクトの桜井さんが書かれたレポートをご紹介しました。
今年の5月、「NBCC:全米乳がん連合」の姉妹団体のカンファレンスに
参加なさった時のレポート「米国でアドボカシー・トレーニングを体験」で
全6回にわたってがんナビに連載されました。
カンファレンスでは、最後にチームに分かれて
議員へのロビー活動を行ったそうですが
その政策目標は次のような内容だったそうです(元記事は◆こちら◆)。

・目標1:すべての人に対する良質な医療の保障
・目標2:国防総省予算から、乳がん研究プログラムに1億5000万ドル(約150億円)の供出
これには口があんぐり。2009年度の日本のがん対策予算は厚生労働省関連で約237億円。文部科学省関連、経済産業省関連を含めた3省合計で 523.5億円だ。(厚生労働省・第9回がん対策推進協議会資料より)。乳がんの研究プログラムだけに150億円という目標に、腰が抜けそうでした。

金額にも、それだけの額を要求していこうという組織力にも、びっくりです。

アメリカには「寄付文化」が根付いているから、という話はよく耳にしますが
寄付文化が根付いているとは、どういうことなのか?
日本と何が違うのか?
そういったことについて何回かにわたって考えてみたいと思います。

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半月に一度というゆる~~い目標でお恥ずかしい限りですが
なんとか目標を達成できた自分へのほうびに
ブログランキングへのリンクを貼らせてもらおうっと♪
(署名期間中は、ちょっとしたミスに気づかず貼れなかったの、グッスン)
ポチっとよろしくです。

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『女性自身』最終回/子宮頸がん啓発ビデオ2009/09/08 18:33

始まったばかりのお金の話はちょこっと置いといて
先日お知らせした週刊誌『女性自身』に掲載されている恩田さんの記事
『「乳がん」と共生する』(が正式見出しでした)が
今日発売の今週号で第3回目の最終回を迎えています。

先週の第2回目(p130)では、乳房再建の現状、実際どんなもんなのかについて
今週号(p170)では、乳がんが告知から5年10年と長~いお付き合いになることや
乳がん患者の心強い支えとなる「乳がん体験者コーディネーター」、
あるいは家族、がん友さんのことについて触れられています。

美容院などで、ぜひチェックしてみてください。

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もひとつお知らせ。

少し前になりますが、キャンサーネットジャパンから
子宮頸がんの啓発ビデオが完成したとお知らせが来ました。

以前、乳がんの「病気の発見」について書いた時にも触れましたが
子宮頸がんは、一番主な原因が「ヒトパピローマウィルス」であることが解明され
がんの中で唯一、がん化する以前に見つけて治療する=「予防する」ことが可能です。

このウィルスが見つかったのが1983~4年ということで
予防可能だと分かったのは、けっこう最近のこと。
そこでピンクリボンならぬ、「ティール&ホワイトリボン」プロジェクトとして
子宮頸がんについて広く啓発していこう活動がすでにスタートいます。
プロジェクトを進めている「子宮頸がん予防の会」のサイトは◆こちら◆
その活動の一環としてビデオができたというわけです。
YouTubeで公開されていますので、◆こちら◆もぜひチェックしてみてください。


ワクチンもすでに開発され
それによって9割以上の人ががんにならずに済むと言われており
欧米では女子へのワクチン接種がもう始まっています。

日本でもこのワクチンが10月末ごろを目途に認可される予定です。

ワクチン接種をする場合
「セクシャル・デビューを果たす」前にするのがもっとも効果的なわけで
欧米では10~13歳の女子を対象にしているそうな。
日本でやる場合、性教育の問題ともからんで
そこが一番ネックになりそうな気がしますが
防げるとすでにデータが出ているのであれば
ぜひとも進めたほうがいいんではないかと、わたしは思います。

ついでに、中高大学生に対する乳がんのセルフチェックの教育も
早く実現するといいな。

◆追記
その後知りましたが、乳がんのセルフチェックについては、たとえきちんとやり方を指導しても、死亡率を下げる効果はないとされています。ランダム化比較試験を行った結果、本当はがんでないのにがん?と疑われたり、良性の腫瘍なのに生検を受けたりといった偽陽性ばかり増えて、乳がんで亡くなる人は減らなかったそうです(詳しくはこちらのコクラン・レビューをご覧ください http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0006/4/0006_G0000100_T0002897.html )。
ですがこれは何も、「胸に触るな!」という意味ではありません。生活の中で胸に触れたとき、なんらかの異常を自覚したら、検診を待たず、すぐに乳腺外科を受診されるよう、お勧めします。正しいがん検診を正しく受けて、早く病気を発見することも大切ですが、何より大切なのは、自分の身体をいたわり、異常を感じたときは放っておかず、怖がらず、病院へ行ってみることです。
(2010年5月17日)

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朝日新聞に抗議の問い合わせ2009/09/10 01:33

こんなに頻繁に更新するつもりではなかったのですが(笑)
昨日、朝日新聞を読んでいて、驚くような表現を目にし
黙って放置しておくわけにはいかないと考え
抗議の問い合わせをしました。
とりいそぎ、その内容をここに載せて、ご報告だけ。

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2009年9月9日朝刊 12版p.31掲載 ピンクリボンフェスティバルの記事について

わたしは術後2年になる乳がん体験者です。
この記事の冒頭の文章に強い違和感と不快感をおぼえ、問い合わせをさしあげました。

「早く見つかれば、高い確率で治ると言われる乳がん。一方で、検診を受けなかったばかりに発見や治療が遅れ、毎年1万人を超える人が亡くなっている」という下りです。

この文章は日本語として、毎年亡くなっている1万人の人々が
検診を受けなかったばかりに発見や治療が遅れた人間だと受け取れると思うのですが
それは大きな事実誤認だと考えます。
毎年検診を受けていても、乳がんが見つかった時にはすでにリンパ節に転移していたり
さらにはステージ4(他臓器への転移あり)だったという人もいることは
少し調査・取材すれば分かることだと思います。
また、毎年亡くなっている1万人の方たちは、
ステージ1、2でも5年、10年後の生存率が100%ではない事実が示すとおり
発見・治療が遅れた人ばかりではありません。
要するに、検診を受けていても発見・治療が遅れることもあり
発見・治療が充分早くても、亡くなる方はいるのです。
にもかかわらず、その3つを乱暴につなげた文章に
現在治療にあたっている乳がん患者への配慮のなさと
検診率アップを目指すあまり脅しをかけるような口調になっている安易さが感じられ
とても不愉快に思いました。
乳がんを体験した者として
しこりがこぶし大の大きさになるまで気づかない、あるいは放置している人が減って
この病気で悲しむ人が減ってほしいと願っていますし
そのための啓発活動は大切だと考えますが
ピンクリボンフェスティバルを推進してきた御社がこのような言い方をなさることに
深い失望を覚えました。
10月のピンクリボン月間が来る前に
紙面上でこの文章に関して適切な形で訂正をしていただきたいと強く願います。
なおわたしは、昨年、講談社の雑誌『グラマラス』が行った
ピンクリボン・キャンペーンに疑問を感じて抗議の署名活動を行った者です。
そういった経緯もあり、今回のような記事に対し
どうしても意見を述べさせていただきたいと思った次第です。
署名活動については、今年1月
ピンクリボンフェスティバル事務局の○○さまにもご報告をさしあげ
ご丁寧にお返事をいただきました。
誠意ある対応をよろしくお願いいたします。

朝日新聞、その後2009/09/19 16:57

前回、朝日新聞に抗議の意見メールを送ったことを書きましたが
その後のご報告です。

メールを送った翌々日、広報部から返事が届きました。
不快な思いをさせたことについて丁寧な謝罪はありましたが
こちらとしては、患者の心情に配慮してほしいのももちろんだけれど
事実に基づかない情報が掲載されたことについて、一般読者の誤解を招きかねない
よって訂正をお願いしたいというのが一番言いたいことだったので
その旨、再度メールをお送りし、訂正掲載の検討をお願いしました。

その数日後、今度は医療部の方からお電話をいただき
昨日の金曜日、直接会って話を聞いていただくことができました。

その席で、ピンクリボンが患者に背中を向けていると思えてならないことや
新聞であれば、検診率をあげたいがためにあのような言い方をするのではなく
「がん」という病気について正しい情報をもっと発信してほしいこと
その際には、裏付けとなるデータをしっかり検証し
事実にもとづく報道をしてほしいこと、などなど
あれやこれや、たっぷり2時間以上お話しました。

こういうことには不慣れなもので
あれも話したい、これも言いたいみたいになっちゃって
どこまできちんと伝わったか、不安な部分もありますが
先方からは、今日聞いた話にはもっともだと思える部分も多々あるので
いつとは約束できないものの、何らかの形で記事にできないか検討したい
そのために時間をもらいたいというお言葉をいただきました。

まだ、これがどのように生かされるか分からない部分はありますが
意見メールを送った一介の患者のために
はるばる会いに来てくださって
直接顔を合わせてお話できたことは、大きな収穫でした。
この場を借りてあらためて、お礼を申し上げます。ありがとうございました。

このブログで再三、記事を引用させてもらっているように
わたしはなんとなくではありますが、親の代から朝日の購読者です。
(これまたなんとなくですが、HPもブログも、アサヒネット(笑))
そういえば、高校生の頃「声」欄に投書して、図書券か何かもらったっけ。

読み慣れているので、他紙に乗り換えることもなく来ていますが
いずれにせよ、わたしは新聞の力をまだまだ信じている人間です。
インターネットでニュースが手軽に手に入る時代ですし
新聞を取らない人が増えているとも聞きますが
テレビや週刊誌がなかなか書けないような話題でも
新聞なら書けるといったことがあると思うんです。
特に、とかく病気の話は暗いからと敬遠されがちであることを思うと
新聞屋さんには頑張っていただきたいと期待しています。
素人患者ながら、今言いたいことを、精一杯お伝えしたつもり。
これが今後の記事に何らかの形で反映されたらいいなと心から祈っています。

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今朝の子宮頸がんの記事2009/09/22 16:28

今朝の朝日新聞朝刊に、子宮頸がんの記事が出ていました。
そこに、思わず「これこれ!こういうのが欲しかったのよ!」と
ひざを叩き、記事を切り抜かずにいられない記述が。
「子宮頸がん 検診率2割」「早期発見なら部分切除」という見出しの記事です。

「子宮頸がん検診は、確実に実施すれば死亡率を大幅に減らせる」として
次のような報告が紹介されていました。

名古屋大などの研究グループの報告(06年)によると、国内45市町村で88~03年の間、受診者と未受診者、計約6万人の子宮頸がんによる死亡率を比較した結果、受診者の死亡率は、未受診者より7割も少なかった。

先日、わたしが意見メールを送った記事も
早期発見のための検診の重要性を説くのであれば
その根拠となるような、こういうデータを示してほしかったのです。

意見を送った問題の文章は、記事の見出し文にあったものですが
ほぼ1面すべてをつかった他の記事は
患者と医師のコミュニケーションをテーマにした、
アグネス・チャンと主治医の先生の対談と
10月に予定されているピンクリボンフェスティバルの情報です。
そういう内容であれば、それに見合った見出し文で済ませればいいのであり
そうではなく、「検診を受けましょう」と言いたいのであれば
あのような、「検診を受けない人が死んでます」といった書き方をするのでなく
検診の意義を示す具体的データ、情報を示すべきだったのではないかと
しつこいですけど、そう思います。

乳がんの集団マンモ検診については
過剰診断
=発見されなければ症状が出ず、死亡原因にならなかったがんが見つかること
の割合が、3人に1人にまでのぼっている
先月、海外の報告が紹介されています。
(がんナビに紹介記事があります。◆こちら◆

この報告も、子宮頸がんの報告も、どう読み取ってどこまで信じればいいのか
決して数字をそのまま鵜呑みにしてはいけないとは思いますが
医療はつねに発展途上であり、データの積み上げを頼りにするしかないはず。
データが提示されてこそ、受け手もあれこれ考えることができ
次へ進めるんではないかと、あらためて感じました。

そんなことを考えている今日この頃なので
今度の日曜日、キャンサーネットジャパンが開くセミナー
「もっと知ってほしいがんの臨床試験・治験のこと」
ぜひ参加して話を聞きたいと思っています。
(セミナーの情報は◆こちら◆

日本のがんに関する臨床試験・治験はとても遅れていると聞きますが
感情や思い込みに走らず、少しでもより良い医療をめざすには
欠かせないことですもんね。

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